尾道・竹原旅行記—『時をかける少女』のロケ地

『時をかける少女』のロケ地 広島県尾道市

2019年1月某日

今回は青春18きっぷを利用する3泊4日の旅。

最初は飛行機で広島空港へ、ひとっ飛び。

9:30 成田空港(春秋航空 IJ621便)
10:50 広島空港

約1時間半のフライトはあっという間に過ぎ、予定より早めに広島空港に着陸。

空港からジャンボタクシーで竹原駅へ。

10人乗りの車に、私の他には女性が2名。それぞれ一人旅のようでした。

広島空港から竹原までは30分あまり。初めて見る風景を眺めていました。

竹原駅に到着。

町並み保存地区を目指しました。

駅からは、閑散とした商店街を抜け、歩いて20分ほどの距離。

この距離感を、しっかり頭に入れておくべきでした…。

 

今回は京都を中心に計画を立てました。

しかし長距離旅行で動画1本分の取材は非効率なので、2、3本分を取材するためにどこか別の都市をまわりたい。

最初に思い浮かんだのは『この世界の片隅に』の舞台、広島県呉市でした。

しかし調べると、アニメの舞台には何も残っていない…。

呉は海軍工廠があり、米軍の集中砲火を受けたからです。

面影がない場所を取材するのは難しいので呉をあきらめ、映画で有名な尾道に変更。

尾道ではたくさんの映画が撮られましたが、私は予習として以下の3本を鑑賞しました。

『転校生』 『時をかける少女』 『東京物語』

どれも名作です。

特に『東京物語』は印象的でしたが、60年以上前の映画なので、知る人は少ないでしょう。

『転校生』も名作ですが、知名度は低いかもしれません。

ということで動画のタイトルは、『時をかける少女』の舞台…としました。

『時をかける少女』は大林宣彦監督の「尾道三部作」の一つですが、見ると、むしろ竹原の町並みが印象的です。そこで尾道だけでなく、竹原もまわることにしました。

小京都好きの私にとって竹原は、訪れたかった町でもあります。

このような町並みが、300メートルほど続いています。

『時をかける少女』では、原田知世演じる芳山和子や、尾美としのり演じる堀川五朗ゴロちゃんの通学路として、この町並みが何度も登場します。

通りの突き当りは、屋根瓦が崩れ落ちるえびす堂で、位置関係は映画と同じ。

ニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝の生家(竹鶴酒造)もあります。

竹鶴政孝とリタは、連続テレビ小説『マッサン』のモデルです。

その他フォトジェニックな、竹原の町並み。

最後に西方寺から竹原の町を眺めました。堀川五朗の実家は醤油醸造所で、実際にも堀川醸造所は西方寺の階段の下にあります。

瓦屋根が印象的。

竹原滞在は1時間ちょっとで、すぐ尾道に向かう予定でした。

しかし西方寺のあと竹原駅に走ったものの間に合わず、大汗をかいて列車に乗り遅れる最悪の展開。もう保存地区に戻る時間も気力もなく、誰もいない商店街のベンチで途方に暮れました。

日本全国、商店街はシャッター街と化していますが、竹原の商店街も例外ではありません。

ただ竹原はヘンに観光地化しておらず、保存地区でさえ店が少ないのは好印象でした。

趣のあるいいところです。

 

14:06 竹原(JR呉線)
14:58 尾道

1時間遅れたため、尾道をまわる時間が減りました。

1月なので日没が早く、あと2時間位しか撮影できないでしょう。

ともかくスケジュールに沿ってまわりました。

まず『転校生』で印象的だった、鉄道の跨線橋へ。

小林聡美演じる一美が、自転車でここを駆け上がっていきます。

続いて、『東京物語』の冒頭に出てくる、住吉神社の灯籠。

同じく『東京物語』に出てくる中央桟橋。

当時のままではないと思いますが、映画の雰囲気を感じました。

『転校生』のラストシーンでは一美が、「さよなら、わたし!」と叫びながら一夫の乗るトラックを追いかけます。

これは尾道市役所前の通りで撮影されたそうです。

この通りを進むと、正面に一夫の家が見えてきます。

個人宅だそうですが、ほぼ映画のままで感動しました。

一夫の家に行く途中、松本病院という病院があり、玄関先にイノシシの銅像がありました。

病院にイノシシというミスマッチ(?)と、今年の干支で、印象に残りました。

いい彫像です。

「一夫の家」近くの階段を上がると、国宝の浄土寺です。

階段を上ってふり返ると、すぐ近くに呉線の線路が延びています。

浄土寺は、夕日を浴びて、映えていました。

電車に乗り遅れて、結果オーライだったかもしれません。

尾道で一番見たかったのが、浄土寺だったので。

古い建築を見るのは好きです。

国宝の建築物は、美しさが際立っていると感じます。

『東京物語』に登場する浄土寺。

小津安二郎監督の作品、とりわけ『東京物語』は海外で評価が高く、その影響から浄土寺を訪れる外国人は多いそうです。

 

浄土寺にベストタイミングに来れた替わりに、そのあとは大急ぎでした。

山の上の千光寺を最終目標として、いくつかのポイントを通過しながら移動しました。

「尾道は根の」という説があるほど、山を切り拓いてつくられた街です。

山の中腹まで居住地域があり、生活道が網目のように張り巡らされています。

浄土寺の次に向かったのは、御袖みそで天満宮です。

『転校生』で、ふたりが「入れ替わり」の階段落ちをする場所。

階段が、急過ぎ!

恐る恐る、のぞき込みました。

撮影ではべニア板を敷いて、本当に転げ落ちたそうですが、信じられない。

一美役の小林聡美さんは、足を捻挫したそうです。

御袖天満宮のあとはうしとら神社へ。

ここは『時をかける少女』でタイムリープ中の和美が、自身の七五三参りを目撃する場所。

大きなクスノキもあります。

艮神社の脇の小道を上っていくと千光寺につながります。

この小道がカオスでおもしろかった。

この辺は『転校生』で「猿を飼っている家」の脇道として登場します。

坂を上って千光寺につくと、拝観時間は終わってました。

千光寺の手前に展望が開けた場所があったので、そこで写真を撮りました。

尾道水道。

観光客が訪れる「尾道」は、沿岸部を干拓によって広げた町で、そのために川のように細長い海となり、独特な景観を形作っています。

これを美しいと見るか、ゴチャゴチャしていると見るか。

正直にいうと私は後者ですが、それ以上に「尾道らしい」と感じました。

尾道が多くの観光客を引きつけるのは、様々な要素が混在しながらも不思議なバランスで調和しているからでしょう。

日が落ちて、これ以上撮影できなくなったので、駅に向かいました。

坂道にワザと猫の足跡の模様がつけてありましたが、猫もいました。

人に慣れた野良猫らしく、写真を撮ろうとしたら、もてあそぶ様にかわされました。

千光寺下の踏切。

尾道の映画には踏切がつきもので、尾道のシンボルともいえます。

シャッター速度が稼げず、手持ちではもう無理だと思いながら苦し紛れに撮った二枚です。

今見ると、なぜか情緒的で幻想的にみえます。

さすが映画の町、尾道だ。

 

17:53 尾道(JR山陽本線)
19:16 岡山
20:40 姫路(JR神戸線)
22:14 京都

京都泊。

明日は京都を旅します。

心を癒やす旅。

↓下の動画は、2019年の旅行で撮った写真を 、 音楽にのせてまとめた写真集です。

Photos taken in Japan in 2019
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