東京都多摩市旅行記—『耳をすませば』の舞台

2018年3月・4月の2回、聖蹟桜ヶ丘へ自転車で。

旅というよりは、「自転車散歩 」 をしてきました(略)。

 

2018年12月某日。

2018年にやり残したことー聖蹟桜ヶ丘の撮影。

カメラを始めた頃に撮影したので、心もとない写真ばかりでした。

心残りだったので、年の終わりにもう一度、行ってきました。

愛宕団地の給水塔へ。

4月訪問時、逆光でうまく撮れなかった場所です。

2018年4月訪問時
2018年12月訪問時

今回はまぁまぁです。

これを何枚も撮っていると、撮影しがいのある対象と感じました。

太陽の塔のような風格が、この給水塔にはあります。

 

このあと、ロータリーや住宅地の風景を改めて撮りました。

最後に夕日の丘へ向かいました。

夕暮れまで少し空いたので、記念館へ。

聖蹟の名は、明治天皇が行幸されたことに由来します。

それを記念した建物がこちら。

旧多摩聖蹟記念館

独特のフォルムが印象的です。夕日があたってきれいでした。

 

日が暮れたので、夕日の丘へ。

名前とは裏腹に夕日は見えにくい丘ですが、マジックアワーがきれいでした。

 

2018年、3回にわたって聖蹟桜ヶ丘に来ました。

実は20年ほど前、あの住宅地を何度も訪れたことがあります。

小さな食品会社に勤めていた頃、移動販売の仕事で縁があったのです。

ロータリーを初めて見た時、雫とおんなじことを思いました。

「丘の上にこんなところがあるなんて知らなかった。」

 

雫がロータリーを見たのは30年以上前。

私が初めて見たのは20年ほど前。

今より華やかさがあり、住宅街も新鮮な輝きを放っていました。

20年経てば、街も人も変わるのは当然です。

 

しかし、20年ぶりに住宅街を訪れて、変わらないものに気づきました。

「人を試す場所」というこの町の特徴です。

 

20年前に来た時、移動販売のルートを開拓していました。

丘の上の住宅街のほとんどすべての家に、チラシを配ることからスタートしました。

チラシを配りながら街区を覚え、車で周る順路を考えて、 誰でも簡単に周れるようなコースを作り、 実際に移動販売し、別の従業員と同乗してコースを教え、引き継ぎました。

引き継ぐと、こんどは他の住宅地を探し、やはりすべての家にチラシを配り、街区を覚え・・・と同じことを繰り返し、幾つかの販売ルートを作りました。

つまり聖蹟桜ヶ丘は、私を試す場所でした。

 

その後20年も経って、『耳をすませば』を初めて観ました。

映画の内容と、多摩市の土地柄の共通点を探るために、ここに撮影に来ました。

 

私は写真の初心者でした。

逆光の桜や建物を撮るには、どうすればいいのか。

それを考える機会を、聖蹟桜ヶ丘は私に与えました。

 

何事も経験しないと、始まらない。

何事も経験しないと、うまくならない。

20年前と同じことを、聖蹟桜ヶ丘は私に教えました。

 

これはおそらく『耳をすませば』が伝えたかったことでもあります。

雫も聖司もやりたいことがあり、この町で試行錯誤します。

雫の小説を最初に読んで励ましたのは、ロータリーの地球屋の主人でしたね。

あのロータリーは転換点を象徴します。

転換点とはつまり、

「どっちか」を「選ぶ」こと。

 

人は何かをする時、選択が必要になります。

やる」か「やらない」か。

あれ」にするか「これ」にするか。

どんなささいな事でも、人は選んで、自分の道を決めます。

金毘羅宮で杉村を振ったのも、杉村と付き合わないことを選んだのですし、もっといえば、将来的に聖司と付き合うことを選んだのです。

雫の重要な転換点を演出したのが、聖蹟桜ヶ丘でした。

 

人を試すこと、試行錯誤させることが聖蹟桜ヶ丘の土地柄であり、風土です。

今でも多くのファンがここに訪れ、それぞれの試行錯誤をしています。

  

心を癒やす旅

↓下の動画は、2017-18年の旅行で撮った写真を 、 音楽にのせてまとめた写真集です。