吉野・宇治旅行記—『とりかえばや物語』の舞台

『とりかえばや物語』の舞台 奈良県吉野町

2019年1月某日

6:13 京都 (JR)
6:18 稲荷

まずは『ぼく明日』に出てくる伏見稲荷大社へ。

朝の光が差し込む千本鳥居を撮るつもりでしたが、あいにくの雨。

本殿にお参りしたあと、上の方にある眼力社という所を目指しました。

けっこう山の上にありました。

四ツ辻という所が最高地点のようで、ここまでくると多くの人が息を切らしていました。

眺めは開けています。

眼力社にはおもしろい狐の像がありました。

私は視力が弱いので、良くなることを願いました。

伏見稲荷大社で、『ぼく明日』の舞台とはお別れです。

 

ここからは『とりかえばや物語』の舞台を巡る旅。

7:38 稲荷 (JR)
10:06 吉野口
10:18 吉野口 (近鉄)
10:52 吉野

吉野にやって来ました。

  朝ぼらけ 有明の月と みるまでに 吉野の里に ふれる白雪
(明け方、空がほのかに明るくなってきた頃、有明の月かと思うほど明るく、吉野の里に白々と雪が降っていることだよ。)

有名な百人一首の句にあるように、吉野は冬のイメージもありますが、現代では吉野といえば桜。真冬に来る人は少ないようです。

近鉄電車の終点吉野駅で降りたのも、女性の3人連れと私だけでした。

 

吉野駅では、ケーブルカー(と、その先のバス)が冬季休業中との掲示を目にしました。

これもホームページには書いてなかったような…。

ボヤいても仕方ないので、歩いて吉野水分神社まで行くことにしました。

最後頼りになるのは、自分の足だけです(笑)。

 

とはいえ、これがキツかった!

けっこう登った後でこのつづら折れを目にした時、心も折れそうに…。

午前中だけで、二つの山に登った気分。。

しかし吉野水分神社は、その労力に値する場所でした。

三連の檜皮葺ひわだぶきの屋根の、枯れた美しさが最高です。

時が止まったかのような静寂を感じました。

 

実際には電車の時間が近づいていたので、山を下りました。

金峯山寺きんぷせんじがみえます。

あそこまで一気に下りていきます。

上りがきつかったので、下りは楽チン(体感比)。

「あっ」という間に、金峯山寺に到着(笑)。

吉野の町並みは風情があり、良い所でした。

 

13:34 吉野 (近鉄特急)
14:09 飛鳥

13:37発の各停がありましたが、少しでも時間を稼ぐために、ここは特急に乗りました。

この時間節約が、あとで功を奏します…。

 

飛鳥駅近くの「明日香レンタサイクル」で自転車を借りました。ここで借りると、橿原神宮前駅の支店で乗り捨てられるので、効率良くまわれます。

とはいえ返却期限まで時間がないので、ベタな所だけまわることにしました。

高松塚古墳へ。

伏見では雨、吉野では雪がちらつくほど不安定な天気でしたが、高松塚の壁画館を見学して外へ出ると、青空になっていました。

石舞台古墳へ。

高松塚から石舞台までは、少し距離がありました。

もともと露出した古墳なのかなぁと思っていましたが、覆われた土が盗掘や長い年月の風化で取り払われたそうです。石の質感、見ごたえがあります。

飛鳥寺へ。

飛鳥寺の駐車場から見た風景

山の稜線に光が当たってきれいでした。

雲の形がだんだんと・・・。

 

最後に甘樫丘あまかしのおか

丘なので、みたび登ります。

きれいに整備された階段を

登り切った丘の上に、

美しい光景が待っていました。

こんなウロコ雲、見たことない…。

そう思いながら、シャッターを切りました。

雲って美しいんだなぁ。

奈良盆地がつぶれていますが、空しか見てないので、正しい心象風景です(笑)。

雲に目を奪われていましたが、甘樫丘からはこのような風景が広がっています。

 

時間が迫っていました。

返却期限の17:00まで、あと24分(最後の写真が16:36でした)。

レンタサイクル店から催促(?)の電話もかかってきました。

でも甘樫丘から橿原神宮前駅までは、ほぼ一直線です。

グーグルマップを片手に自転車を飛ばし、なんとか3分前に返却しました。

特急に乗って正解…。

17:12 橿原神宮前駅 (近鉄)
17:26 桜井
17:58 桜井 (JR)
18:36 奈良

奈良 泊。

 

2019年1月某日

3泊4日・青春18きっぷ旅の最終日でした。

大神おおみわ神社から山辺の道やまのべのみちを巡り、宇治に立ち寄りながら、帰路につきます。

5:23 奈良 (JR)
5:48 三輪

この朝は、盆地特有の底冷えの寒さを体感しました。

とにかく寒い。

気温(この日の最低気温は-2°)は平均的ですが、シンシンと冷えます。

三輪駅から、真っ暗の中を大神神社へ…

と思いきや、参道の両側に常夜灯(?)があり、導いてくれました。

拝殿につくと、左上に光る星が印象的だったので、撮影しました。

そして、大神神社の御神体である三輪山と、大鳥居が見えるポイントへ移動。

朝焼けの風景もありました。

そのあと、山辺の道を意識しながら、古墳などを巡りました。

箸墓古墳

箸墓古墳は卑弥呼の墓という説もあります。

あの古墳の上に登れたらいいなと近づいたら、登れる古墳でした(茅原大墓ちはらおおはか古墳)。

古墳の上から。

その他、山辺の道の風景。

ぜんぶ辿ったわけではありませんが、雰囲気は味わえました。

日本の最古の道であり、原風景をイメージできます。

倭は 国のまほろば ・・・
(大和は国の中で一番良いところである・・・)

10:12 柳本(JR)
11:22 宇治

宇治も『とりかえばや物語』の舞台。

平等院もいいですが、宇治上神社も簡素な美しさで良かったです。

12:55 宇治(JR奈良線)
13:30 京都(JR琵琶湖線)
14:30 米原(JR東海道本線(大垣行))
15:11 大垣(JR東海道本線(豊橋行))
16:42 豊橋(JR東海道本線(浜松行))
17:16 浜松 (ちょっと休憩)
17:30 浜松(JR東海道本線(熱海行))
20:17 熱海(JR東海道本線(籠原行))
21:24 大船(JR湘南新宿ライン(小金井行))
22:15 新宿(中央線中央特快(高尾行))
~帰宅。

 

今回は、

1日目:竹原・尾道
2日目:京都市内
3日目:伏見・吉野・飛鳥 (このページ)
4日目:山辺の道・宇治(このページ)

と巡りました。

あとでふり返ると、

1日目に行った竹原は、2日目に行った京都・下鴨神社の荘園でした。

おもえば、

1日目に行った尾道と、3日目に行った吉野は、男女の入れ替わり物語の舞台でした。

 

綿密に立てた旅の計画は、

いくつかのハプニングによって裏切られました。

しかし、

そのおかげで、美しい風景に出会えました。

心を癒やす旅

↓下の動画は、2019年の旅行で撮った写真を 、 音楽にのせてまとめた写真集です。

2019年に撮った写真
タイトルとURLをコピーしました